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私もこの気持ちに振り回された1人だ。 しかし、入院中に色々あった感情の起伏も、優越感も劣等感も 退院して普段の生活に戻ると総べて無に帰したように、 病人である自分とそれ以外は病人でない多くの人達という現実だけがある。 それに気付かなかったのは自分だけという笑うに笑えない現実だけが残った。 わずか半年あまりの入院が何年間もあったかのような錯覚に陥ってしまう毎日だった。 その頃、毎日「自分だけがなぜ」とその理不尽さに怒り、 毎日その怒りに対して「現実を受け入れるしかない弱くて臆病な自分」が見えてくる、 そして「今から言っても始まらないけど、あの時反省して生き方を変えてくれてたら」と 悔やんでも悔やみ切れない涙を浮かべた妻の目を避けていた。 なんにも反論できない、という現実をいやというほど思い知らされた毎日だった。 今でも基本的には変わらない。でも気分的にはずいぶんラクになった。 くよくよしても始まらないし、悪いことばかり続かないと根拠もなく信じてみたりと、 八方塞がりの現実とせめて楽しく付き合っていこうと思っている。 薬の話をしよう。転院して名東区の病院で初めて「膠原病」と診察をされた。 「脳梗塞は結果であって、あなたの病気には膠原病があるみたい」 と主治医のY先生に言われた。 だから、今回の脳梗塞の前にも結果の表れない小さな脳梗塞が幾つもあったみたい。 最初は何の事だか判らず、ただ生まれつきの病気だから 自分の不摂生の性じゃなかったとホッとしたのを覚えている。 先生からは「これからは死ぬまでタバコは止めなければいけません」 「薬の効果を下げるので納豆とクロレラ、グレープフルーツもだめです」と言われた。 それと「これからは血が固まりぬくいので、出血したら長い間よく押さえておかないと 大変な事になります」とクギを刺された。 毎日食べても飽きのこないどっちかというと好物の納豆が食べられないのは難だが、 あとの物は別に食べなかったら死ぬという物じゃないし、そんなに不便だとは思はない。 今薬としては、毎朝ワーファリンを4錠、パナルジンを1錠、ニューロタンを1/2錠、 ガスター10を1錠、飲んでいる。1日1回だから意外と楽だ。 ワーファリンとパナルジンは血液を固まりにくくサラサラにする薬。 ニューロタンは血圧を下げる薬。ガスター10は胃薬。 6ヶ月も入院してたから、別に薬を毎日飲むのは苦じゃない。 今までも飲み忘れもないし日課だと思えばなんともない。 これを黙々と毎朝、途切れることなく飲み続けなければならない。 ついでに診察の話をしよう。発病から6ヶ月以上経つと、診察は月に1回。 厳密に言うと4週間に1回診てもらうことになる。 まず病院に着いて機械に向かって診察券を出し、神経内科とリハビリ科の受診をコール。 リハビリはそんなにうるさくないのだが、神経内科は予約してないと受診できない。 しかし、神経内科の受診の前に、毎回ワーファリンの利き目をチェックするため 血液検査をしてもらはなければならないのだけど、 採血をしてもらう所というのが一般の採血室なので 、静脈注射する人やカゼをひいた普通の人がたくさんいて結構待たされる。 次に採血が終わると、その採取した試験管を自ら持って2階の検査室に 提出しに行かなければならない。退院してから半年以上経った頃、 1度検査室にいったついでに入院してた病室に行ってみた。 当然患者には顔見知りはいないのだが、看護婦は皆知り合いだ。 「ああ、元気にしてる?」と明るい声で声を掛けられると 昔つきあっていた恋人に偶然街で逢ったみたいで、 何も悪いことをしてなくてもなんか気恥ずかしい思いをした。 そうしてやっと1階に戻って神経内科の待合室で名前を呼ばれるのを待つのだが、 いつも予約時間を遅れがちだ。この待合室では、車椅子に乗った患者、 ツエも持たずにいる患者、若い者も年寄りも千差万別の患者がいる。 やっと名前を呼ばれるんだが、ここまでだいたい1時間半ぐらい掛かっている。 名前を呼ばれるとまず廊下と診察室の間にある待ち合いみたいな小部屋に入って、 「Oさんですね」と看護婦の確認を受けて2つ並んだ椅子にかけて待つことになる。 するとカーテン越しに主治医と前の患者のやり取りが手に取るように聞こえてくる。 「何か変わったことはありますか」「次の予約は…でいいですか」とお決まりのやり取りだ。 「Oさん」とカーテンの向こうから主治医のY先生の声が聞こえてくる。 「ワーファリンの利き目もいいみたい」「血圧もいいね」「次の予約は…でいいですか」と 今日も正味3分ぐらいの診察が無事終了したのであります。近況報告でした。 ![]() # by tomhana193 | 2010-03-04 15:07
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人生の御負け
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