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私だけのCD:3

LADY SOUL

私の場合、女性ボーカルリストと言えば断然黒人の方が好きだ
(もちろん人種差別主義者ではないが)。案の定、ここに取り上げた13人の
女性ボーカルの内8人が黒人だ。「何で黒人が好きなんだ?」と聞かれたら、
まっ先に「歌が上手いから」と答える。さらに「若いのと年増だったら?」と聞かれたら、
躊躇なく「年増の方」と答えるだろう。そう私の場合、世間で人気のチャラチャラした
金髪女や見栄えだけの黒人子娘なんかには目もくれず、もっぱら黒人の年増女に
メロメロなんだ。「どうして黒人の年増女がいいんだ?」と聞かれたら、
思い出したように「とにかく彼女達はガムシャラじゃないし、そしてツボを心得ていて
優しく包んでくれるんだ」とハニカミながら答えるはずだ。
昔、鶴舞にある名古屋市公会堂でGladys Knight And The Pipsの
あの素晴らしいライブを見て以来「私にとって女性ボーカルは何をさて置き
黒人年増なんだ」というのが既成の事実となって久しい。

1:Someone like you / Patti La Belle

概して黒人は歌が上手いもんだが、この人は別格。声のタチはそれほど好きじゃないんだけど、そのエモーショナルな感じは圧巻というほかない。この曲もまさに他の追随をゆるさないといった感じ。しかしどうでもいいけど、彼女と同時期ぐらいに才能豊かな女性ボーカルがいっぱい出現したのはどうした訳なんだろう。余談だが、彼女のライブを見に行って驚いた。汗をかいてきたのでタオルででも拭くのかなと見ていたら平気な顔して自分の人さし指で汗を観客に向けて跳ね飛ばしていた。「本場ではこうしてやるんだ」と妙に納得したのを思い出した。

2:I don't want to know / Gladys Knight

はっきり言って、私にとっての女性ボーカルNo.1は彼女をおいて他にはいない。ThePips時代、世の中はダイアナ・ロスとかスリー・ディグリーズみたいな美形のシンガー達がモテハヤサレテいたけど、私から言わせてもらえば歌声から大人の女性を感じたのは彼女だけ。他の人よりはキーは少し低めで、それでいて感情を簡単に表に現さない内に秘めた歌い方。この曲もしかり。しっとりと感情を抑えた彼女の歌声を聞いただけで「こんな女性がいいな」と簡単にダマされてしまった。私にとってのLady Soulはまさしく彼女のことをいう言葉なんだ。

3:Willing to forgive / Aretha Franklin

たぶんもう60歳を過ぎていると思うんだけど、いつまでも若々しい彼女。98年に出した「a rose is still a rose」も年齢を感じさせないイイデキ。この曲でも映画Blues Brothersの時の感じからは想像できない、いいONNAを演じている。余談だが、アメリカの音楽雑誌『ローリング・ストーン』誌がロック生誕50年記念として最も偉大なロック・アーティスト50組みのランキングを発表した。それによるとアレサ・フランクリンは女性では最高位の堂々9位に入ったという。さすがだ。この曲が入ったCDを探したんだけど見つからない。しかたがないのでコッチの方(4枚組なのに入っていない)で許してくれ。

4:To make you smile again / Carole Bayer Sager

「キャロル・ベイヤー・セイガーって誰だ?」という声が聞こえてきそうだが、実はこの人今でも離婚していなければバート・バカラックの奥さん(バート・バカラックって誰だ?という人はこのページパスしてもいい)。そんなことどうでもいいか。声はガラガラだし歌い方はお世辞にもウマイとはいえない。だけどなんだか許せちゃう感じ。男の私なんかは幾つになってもこういう声の女性についつい騙されちゃうんだな。しかしこの曲の入ったCでゃ廃盤みたいなので唯一あるコッチのLPで我慢してくれ。

5:One hello / Randy Crawford

初めて彼女を聞いたのが、何故かクルセダースの「Street Life」という曲でヒューチャ−されていた。彼女、ジャズ系の人だと思っていたらそうでもないみたい。この歌もそんなにウマイわけじゃないんだけど、このビブラートのかかった声についついキャロル・ベイヤー・セイガー同様、気持ちよく騙されちゃうんです。

6:Stay with me / Bette Midler

デビュー前はニューヨーク辺りのサウナで歌っていたそうだが、そういう所に行ったことがないので全然シチュエーションが判らない。しかしどう見ても彼女からは色気(例えば化粧臭い感じ)といったものが全然感じられない。唯一この曲が入っている映画The Roseに出ていた彼女はちょっとイロっぽいかな。

7:Never gonna give you up / Bonnie Bramlett

この人日本では全然無名だと思う。この人のダンナがDelaney Bramlett。この人も当然無名。彼等はデラニー&ボニーというデュエットでレオン・ラッセルと共に活躍してた。それからデュエットを解消してソロになった。もう25年以上も前の話。この曲は彼女のソロ第1弾「Lady's Choice」の中の1曲。このあと1枚出したところまでは知っているけど、その後ナシのツブテ。白人のシャウター系イチオシの人なんだけどナントももったいない。昔出したアルバムは全部廃盤みたいであるのはコレだけ。余談だけど、彼女の娘(Bramlettなんていう名前はそういるもんじゃない)がジョーコッカーのCDでデュエットしていた。これってやっぱり受け継がれた血なのかな。

8:Help is on the way / Melessa Manchster

世間ではきっと彼女の評価はそんなに高くはないんだと思う。一言でいうなら都会の哀愁系(ちょうどこの曲みたいな感じ)。歌が際立ってウマいわけでもないし、何処といって特徴がある訳でもない。最近の彼女のCDカバーを見たら何かシーナ・イーストンみたいな感じ。何か何処かで間違えっちゃったんだな。でもそんなオッチョコチョイのところが好き。この曲が入ったアルバムが廃盤みたいなのでコッチの方で勘弁して。

9:Separate ways / Mary davis

彼女のことは何にも知らない。この曲もたしか中古CD屋で何枚か買ってきたうちの1枚に入っていたと思う。さすがHPで検索しても全然出てこないシンガーなのだ。でもこういった感じの人がきっといい人なんだろうな。またいつかどこかで出逢いそうな、そんな気がする。

10:The glow / Bonnie Raitt

彼女を知ってからもうかれこれ20年近くにもなる。デビューアルバムはたしかボトルネックギターを弾きながらブルースを歌う中西部のお姉ちゃんっていう感じだった。瓢箪から駒のグラミー賞を取ってから何か人が変わったように綺麗になった。でも、その後もお高くとまらずにいろんな人のCDにホイホイ顔を出しているところが何か好感が持てる。この曲は全然彼女らしくない曲だけど、昔酒を飲みながらこの曲をイヤッていうぐらい聞いた記憶がある。

11:Look me in the heart / Tina Turner

普通黒人の女性は歳とってくるとデブっぽくなる人がほとんどだけど、この人は60近くになってもスタイルはいいし、チャーミングだし、黒人には珍しい可愛い感じの人だ。最初Ike&TinaTurnerで一世を風靡した。しばらくヒットも飛ばしていたがその後音信不通になった。なんでもロンドンにいたようだが、そんなことどうでもいいか。1986年、颯爽とカンバックを果たした。もともと実力のある人(この曲を聞けば判る)。可愛いだけのそこらの小娘とは訳が違う。私なんか近くに行ったらきっとミーハーよろしくサインを貰っちゃうんだろうな。

12:I don't want to / Toni Braxton

彼女は若手の有望株といった感じ。歌もウマイし、ルックスもまあまあいいんだけど何かチョッピリ不満が残る。ファーストアルバムはいい新人が出てきたなっていう感じ。セカンドはまあまあいい感じだな。でもサードアルバムがいただけない。金持ちになって自分の才能に酔ってる感じ。これではいけない。初心に返って奮起を促したい。何といっても彼女はいいものを持っているんだから(この曲を聞けば誰もが納得する)、もったいない感じがしてしょうがない。

13:I'm through trying to prove my love to you / Millie Jackson

この人とっても下品な人。この人テレビには出れない人。1度ライブを見たことあるけど、ゲラゲラ笑いながらFuckを連発してた。でもそのアケッピロゲなところが好きなんだな。1974・75年と立て続けに出した「Caught Up」と「Still Caught Up」は絶品保証付き。旦那と奥さんと旦那の若い彼女との典型的な三角関係のシチュエーションで、最初は奥さんからみた気持ちを歌い、次は旦那の彼女の気持ちで歌い最後には精神病院に入って終わる壮大なもの。そして曲と曲の間がなくアレヨアレヨと繋がっていく。正統派シャウターの面目躍如といった感じ。酒を飲みながら彼女の歌を聞いているとどんどん引き込まれてる自分が判る。ゲテモノ喰いの感じは否めないが1度機会があったら聞いてみてください。ホントこの歌を聞けば私がどうして彼女に頭が上がらないのか判るはず。余談だが、この歌をMr.ソウルBobby Womackも歌っていた。

この他にも、Ann PeeblesとかEstherPhilipsとか、まだまだ捨てがたい人はいるけど、
それはまたの機会ということでジャン!
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写真1:私がデザインしたこのCD用のオリジナル・ジャケットがコレ。
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写真2:このCD一番のお薦めは誰が何と言おうとMillie Jacksonの
「I'm through trying to prove my love to you」という曲だ。
日本人には絶対に真似できない感じなんだ。
by tomhana193 | 2005-12-20 11:05


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