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歴史のオマケ:3

狛犬/3

調べてみると狛犬には名前があった。神社に入って正面から見て右にいる口を開けた方を
阿(あ)、対して左にいる口を閉じた方を吽(うん)と呼ぶらしい。よく阿吽は
万物の初めと終わりを意味していると言われてる。何で阿吽がハジメとオワリを表すのか…?
それは生き物は口を開けながら生まれ口を閉じた状態で死ぬからとも、日本語が「あ」と
口を開ける文字から始まり「ん」と言う口を閉じた文字で終わるから…ともいわれてる。

その阿像の特徴としては:正式には無性らしいがメスとして扱っているものが多く、
獅子(狛犬として扱っている物も多い)を表わし、耳が垂れていて子供を連れているものが多い。
年代によっては頭の上に擬宝珠(ぎぼし)を乗っけているものもあると聞く。
一方、吽像の特徴としては:正式には無性らしいがオスとして扱っているものが多く、
角が生え耳が立っているものが多い。また玉もしくはマリを持っているものが多く
タテガミが巻き毛で、しかも直毛…等と他にも細かい見分け方はあるようだ。

実は今でこそ狛犬と呼ばれているようだが奈良時代までは左右共に阿像である
獅子の組み合わせのものを神社やお寺で置いていた。
それが向かって右に阿像の獅子、向かって左に吽像の狛犬の組み合わせになったのが
平安時代の初め。徒然草236段に『神社におかしな向き方をした獅子と狛犬がいる』
という話があるのもそのため。それが時代が進み、多くの人が阿吽両方をあわせて
狛犬と呼ぶような時代になり現在に至った。

しかし、ここであげた特徴はあくまでも一般的な物なもので例外も多々見うけられる。
角のない吽像もたくさんいるし、両方とも阿像のものもあれば阿吽共に耳の垂れているものや
阿吽共に耳の立ったもの、阿吽共にオスのものだってある。最近のものには
阿像に鞠を持たせ、吽像のまわりに子供を連れているものも多いようだ。
そう狛犬の歴史は昨日今日出来上がったものではない。長い歴史をかけて
時代と共に変わってきた。写真の狛犬は阿吽のどっちかな?
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写真1:頭デッカチで渦巻くタテガミ。
これは、まさしく獅子の狛犬だ。でも、ちょっとマンガチックだったな。
(南区熊野三社
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写真2:タテガミから想像するに獅子の狛犬だ。
こっちのはだいぶ大人みたいで落ち着いてじっとしていたな。
(南区白耄寺
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写真3:本堂は重要文化財に指定されているのに
「この狛犬はなんだ!」もっと真面目にやらないとバチが当たるぞ。
(南区富部神社
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写真4:背中の汚れといいなんとなく勇ましい狛犬。
庶民の味方としてこの街を守ってきた。風格すら感じられるツラ構えだ。
(北区深島神社
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写真5:本殿も鳥居も全然たいしたことない。
しかし、この狛犬だけは本物だった。朝日に浮かぶこの顔を見てそう思った。
(千種区上野天満宮別宮
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写真6:白目を剥いて威嚇しているが全然恐くない。
白子のように肌の色も何か変だぞ。要はチンケのヤツだということだ。
(西区星神社
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写真7:聖徳寺本堂の隣に漁民が網に掛かった聖徳太子像を
祀ったお堂を守る狛犬。心なしか思慮深そうな顔をしてた。
(熱田区聖徳寺
by tomhana193 | 2005-12-20 14:27


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